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酌井社労士事務所便り【2024年7月号】(2024/7/1)

目次


(1)改正育児・介護休業法、改正次世代育成支援法が成立しました

 男女ともに仕事と育児・介護を両立できるようにするため、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充、育児休業の取得状況の公表義務の対象拡大や次世代育成支援対策の推進・強化、介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等の措置を目的とした改正法が成立しました。


◆育児・介護休業法の改正ポイントと施行日

① 3歳以上、小学校入学前の子を養育する労働者に柔軟な働き方を実現するための措置等が事業主の義務になります。【施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日】

② 小学校入学前の子を養育する労働者は、請求すれば所定外労働の制限(残業免除)を受けることが可能となります。【施行日:令和7年4月1日】

③ 3歳に満たない子を養育する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずることが、事業主に努力義務化されます。【施行日:令和7年4月1日】

④ 子の看護休暇が見直されます。【施行日:令和7年4月1日】

⑤ 妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮が事業主に義務づけられます。【施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日】

⑥ 育児休業取得状況の公表義務が従業員数300人超の企業に拡大されます。【施行日:令和7年4月1日】

⑦ 介護離職防止のための個別の周知・意向確認、 雇用環境整備等の措置が事業主の義務になります。【施行日:令和7年4月1日】


◆次世代育成支援対策推進法の改正ポイントと施行日

① 法律の有効期限が、令和17(2035)年3月31日までに延長されました。【施行日:公布の日(令和6年5月31日)

② 育児休業取得等に関する状況把握・数値目標設定が従業員数100人超の企業に義務付けられます。【施行日:令和7年4月1日】 


詳細は今後政省令で定められますので、注視しておく必要があるでしょう。

【厚生労働省「育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法 改正ポイントのご案内

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf

(2)「職場のハラスメントに関する実態調査」報告書が公表されました

厚生労働省が、「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表しました。前回調査から3年が経過し、ハラスメントに係る状況にも変化があると考えられることから、ハラスメントの発生状況や企業の対策の進捗、労働者の意識等を把握し、今後の諸施策に反映させることを目的に実施したものです。


◆企業におけるハラスメントの発生状況「過去3年間にハラスメントの相談があった」と回答した企業について、ハラスメントの種類別割合を見ると、高い順にパワハラ(64.2%)、セクハラ(39.5%)、顧客等からの著しい迷惑行為(27.9%)となりました。また、各ハラスメントの相談件数の推移については、「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」が最も高くなりました。なお、「顧客等からの著しい迷惑行為」については、「件数が増加している」の割合のほうが「件数は減少している」より高くなっています。


◆労働者におけるハラスメント被害を受けた経験過去3年間に勤務先でパワハラ、セクハラ、顧客等からの著しい迷惑行為を受けた割合は、それぞれ19.3%、6.3%、10.8%でした。また、パワハラ、セクハラを受けた後の行動としては、「何もしなかった」が最も多く、顧客等からの著しい迷惑行為については「社内の上司に相談した」が最も多くなりました。


その他、調査結果の詳細は以下のホームページをご覧ください。

【厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」(令和5年度厚生労働省委託事業)】

https://www.mhlw.go.jp/content/11910000/001256082.pdf

(3)7月の税務と労務の手続[提出先・納付先]

10日

○ 健保・厚年の報酬月額算定基礎届の提出期限[年金事務所または健保組合]<7月1日現在>

○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]○ 特例による源泉徴収税額の納付<1月~6月分>[郵便局または銀行]

○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出[公共職業安定所]<前月以降に採用した労働者がいる場合>

○ 労働保険の今年度の概算保険料の申告と昨年度分の確定保険料の申告書の提出期限<年度更新>[労働基準監督署]

○ 労働保険料の納付<延納第1期分>[郵便局または銀行]


16日

○ 所得税予定納税額の減額承認申請<6月30日の現況>の提出[税務署]

○ 障害者・高齢者雇用状況報告書の提出[公共職業安定所]  


31日

○ 所得税予定納税額の納付<第1期分>[郵便局または銀行]

○ 労働者死傷病報告の提出[労働基準監督署]<休業4日未満、4月~6月分>

○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]○ 健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所] 

○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

○ 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

○ 固定資産税・都市計画税の納付<第2期>[郵便局または銀行]※都・市町村によっては異なる月の場合がある。



社会保険労務士 酌井敦史
酌井社会保険労務士事務所/合同会社メグリア代表
伊勢商工会議所にて企業の経営相談や労務管理に従事した後、2018年に社労士として独立開業。
得意分野である労働法務・給与計算業務を中心に、採用から退職までトータルに支援している。県外のお客様にはオンラインでの対応も精力的に行っており、地域No.1の人事労務の総合商社を目指す。

育児介護休暇の取得、ハラスメント研修などをお考えなら、酌井社会保険労務士事務所にお任せください。
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