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酌井社労士事務所便り【2024年10月号】(2024/10/1)

目次


(1)マイナ保険証への移行に伴う対応について


◆9月9日から「資格情報のお知らせ」送付開始

 12月2日以降、健康保険証がマイナ保険証へと移行します。協会けんぽでは、9月9日から既加入者に対する「資格情報のお知らせ」の送付を行っています。この「資格情報のお知らせ」は、令和6年12月から健康保険の各種給付金等の申請に必要な健康保険の記号・番号の確認等に用いるもので、一部は被保険者が携帯しやすいよう切り取って利用可能なレイアウトの紙製カードとなっています。特定記録郵便で会社に送付されてきますので、各被保険者に配付等する必要があります。なお、12月2日以降の新規加入者については、資格取得時に送付されてくることとなります。

◆従来の被保険者証の扱い 

 マイナ保険証に移行した後も、現行の保険証がすぐに使えなくなるわけではありません。そのため、令和7年12月1日までに退職する従業員からは、従来どおり保険証を返納してもらう必要があります。令和7年12月2日以降は、被保険者による自己破棄も可能となりますので、返納してもらわなくても構いません。

◆マイナ保険証を持っていない加入者への「資格確認書」の発行

 新規加入者については、12月2日以降、資格取得届などによる本人からの申請に基づき、会社を経由してマイナ保険証を持っていない加入者に発行されます。 既存の加入者については、令和7年12月2日までに協会けんぽが必要と判断した人に対して発行されます。

なお、資格確認書の取扱いについても、従来の被保険者同様、有効期限内に退職した場合、会社に返納してもらう必要がありますので退職手続時にあわせて回収しましょう。


【全国健康保険協会「第130回全国健康保険協会運営委員会資料~マイナ保険証への円滑な移行に向けた対応について」】https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat720/r06/001/240725/

(2)転職者の離職理由と賃金の変動状況


◆入職率、離職率ともに上昇
厚生労働省は令和5年「雇用動向調査」を公表しました。これによれば、入職率 16.4%(前年比1.2ポイント上昇)、離職率 15.4%(前年比0.4ポイント上昇)と、いずれも前年を上回る数字となっています。また、入職超過率は1.0ポイントとなっており、前年と比べて0.8ポイント拡大しています。

◆転職入職者が前職を辞めた理由
令和5年1年間の転職入職者(入職者のうち、入職前1年間に就業経験のある者)が前職を辞めた理由をみると、男性は「その他の個人的理由」、「その他の理由(出向等を含む)」を除くと「定年・契約期間の満了」16.9%が最も多く、次いで「職場の人間関係が好ましくなかった」9.1%となっています。女性は「その他の個人的理由」を除くと「職場の人間関係が好ましくなかった」13.0%が最も多く、次いで「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」11.1%となっています。
また、前年と比べて上昇幅が最も大きいのは、男性は「仕事の内容に興味を持てなかった」(2.9 ポイント)で、女性は「職場の人間関係が好ましくなかった」(2.6 ポイント)となっています。

◆転職入職者の賃金変動状況
 転職入職者の賃金変動状況をみると、前職の賃金に比べ「増加」した割合が37.2%(前年比2.3ポイント上昇)、「減少」した割合は 32.4%(前年比1.5 ポイント低下)、「変わらない」の割合は 28.8%となっています。また、「増加」のうち「1割以上の増加」は 25.6%、「減少」のうち「1割以上の減少」は 23.4%となっています。

 現在、転職市場が活性化しており、若年者に限らずミドル層の転職も増えているようです。企業としては、他社の状況も踏まえつつ労働条件や社内環境等についてはよく考えていきたいところです。

【厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/24-2/dl/gaikyou.pdf


(3)10月の税務と労務の手続 [提出先・納付先]

10日
○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>
[公共職業安定所]

31日
○ 個人の道府県民税・市町村民税の納付<第3期分>[郵便局または銀行]
○ 労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、7月~9月分>[労働基準監督署]
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]
○ 労働保険料の納付<延納第2期分>[郵便局または銀行]
○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○ 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>
[公共職業安定所]




社会保険労務士 酌井敦史
酌井社会保険労務士事務所/合同会社メグリア代表
伊勢商工会議所にて企業の経営相談や労務管理に従事した後、2018年に社労士として独立開業。
得意分野である労働法務・給与計算業務を中心に、採用から退職までトータルに支援している。県外のお客様にはオンラインでの対応も精力的に行っており、地域No.1の人事労務の総合商社を目指す。

給与計算のアウトソーシングなどをお考えなら、酌井社会保険労務士事務所にお任せください。
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