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酌井社労士事務所便り【2025年10月号】(2025/10/7)

10月の人事労務に関する最新情報をお知らせします。

国税庁が「年末調整のしかた」を公表しました


国税庁より「令和7年分 年末調整のしかた」(全64ページ、以下「パンフレット」という。)が公表されました。今年の年末調整には複数の変更点があります。企業においては早めの確認と実務への備えが大切です。パンフレットでは、「昨年と比べて変わった点」として、以下の3つが挙げられています。

 

◆年末調整のしかた~改正項目

1 所得税の基礎控除の見直し等

(1) 基礎控除の見直し:合計所得金額に応じて基礎控除額が58万円~95万円に

(2) 給与所得控除の見直し:最低保障額が65万円に

(3) 特定親族特別控除の創設:所得者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で合計所得金額が58万円超123万円以下の「特定親族」がいる場合、合計所得金額に応じて3万円~63万円を控除

(4) 扶養親族等の所得要件の改正:同一生計配偶者・扶養親族の合計所得金額の要件が58万円以下に

2 年末残高調書を用いた方式(調書方式)による住宅借入金等特別控除

3 令和8年分以後の給与の源泉徴収事務における留意事項

※上記のほか、パンフレットの表紙には「通勤手当に係る非課税限度額の改正が行われる場合には、年末調整での対応が必要となることがあります」との注意書きもあり。

 

誤りのない年末調整のためには、制度への従業員の理解が不可欠です。そのためにも、今回公表されたパンフレットや10月に公開予定の「年末調整がよくわかるページ」(国税庁)を確認し、改正点の周知に努めましょう。

【国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」】

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2025/pdf/nencho_all.pdf

全都道府県で初の時給1,000円超 地域別最低賃金の答申が出揃う


厚生労働省から、都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会が答申した令和7年度の地域別最低賃金の改定額(以下「改定額」)が公表されました。

これは、令和7年8月4日に厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会が示した「令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について」などを参考として、各地方最低賃金審議会が調査・審議して答申した結果を取りまとめたものです。

 

◆令和7年度 地方最低賃金審議会の答申のポイント

47都道府県で、63円~82円の引上げ(引上げ額が82円は1県、81円は1県、80円は1県、79円は1県、78円は3県、77円は2県、76円は1県、74円は1県、73円は2県、71円は4県、70円は1県、69円は2県、66円は2県、65円は8道県、64円は9府県、63円は8都府県)

・改定額の全国加重平均額は1,121円(昨年度1,055円)

・全国加重平均額66円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額

・最高額(1,226円)に対する最低額(1,023円)の比率は83.4%(昨年度は81.8%。なお、この比率は11年連続の改善)

 

今年度の最低賃金は、すべての都道府県で初めて1,000円を超えました。

答申された改定額は、令和7年10月1日から令和8年3月31日までの間に順次発効される予定です。なお、例年は大半が10月発効でしたが、2025年度は20都道府県にとどまります。11月が13府県、12月が8県で、福島、徳島、熊本、大分は2026年1月、群馬と秋田は同3月に発効します。

【厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63030.html


10月の税務と労務の手続[提出先・納付先]


10

  源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

  雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>

[公共職業安定所]

 

31

  個人の道府県民税・市町村民税の納付<第3期分>[郵便局または銀行]

  労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、7月~9月分>[労働基準監督署]

  健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

  健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]

  労働保険料の納付<延納第2期分>[郵便局または銀行]

  労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

  外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>

[公共職業安定所]


社会保険労務士 酌井敦史
酌井社会保険労務士事務所/合同会社メグリア代表
伊勢商工会議所にて企業の経営相談や労務管理に従事した後、2018年に社労士として独立開業。
得意分野である労働法務・給与計算業務を中心に、採用から退職までトータルに支援している。県外のお客様にはオンラインでの対応も精力的に行っており、地域No.1の人事労務の総合商社を目指す。


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