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酌井社労士事務所便り【2024年3月号】(2024/3/6)

目次



(1)「令和6年分所得税の定額減税」の特設サイトが開設されました


 「令和6年度税制改正大綱」(令和5年12月22日閣議決定)で、岸田内閣が先に掲げた、令和6年分の所得税額から一定額が控除される定額減税が盛り込まれました。法案が成立すれば、給与所得者については令和6年6月1日以後最初に支払う給与等についての源泉徴収を行う際から実施されることになります。金額は、1人あたり3万円、同一生計配偶者および扶養親族がいる場合は1人につき3万円の合計額です。

◆定額減税特設サイト

 法案成立前でも、給与計算担当者(源泉徴収義務者)が早期に準備に着手できるよう、国税庁は特設サイトを設け、1月30日に各種パンフレット・資料等を、そして2月5日にQ&Aを公表しました。

◆「令和6年分所得税の定額減税のしかた」

 パンフレットは、1.定額現在の概要、2.給与の支払者の事務のあらまし、3.月次減税事務の手順、4.年調減税事務の手順、5.源泉徴収票への表示について、全16頁で解説されています。

◆「令和6年分所得税の定額減税Q&A」

 Q&Aは、制度の概要、対象者の選定、月次減額の方法、年調減税の方法、源泉徴収票・給与支払明細書等への記載方法等、全23頁、計59のQ&Aから構成されています。 今回の定額減税は、給与計算実務に直接の影響がある内容ですので、資料やQ&Aを参考に、あらかじめ手順を確認しておくとよいでしょう。


【国税庁「定額減税 特設サイト」】https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm

【同「令和6年分所得税の定額減税のしかた」】https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0023012-317.pdf

【同「令和6年分所得税の定額減税Q&A」】https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0024001-021.pdf


(2)2024年10月からの社会保険適用拡大に関するQ&Aが公開されました


 所定労働時間または所定労働日数が通常の労働者(正社員)の4分の3に満たない短時間労働者でも、①1週の所定労働時間が20時間以上であること、②所定内賃金が月額8.8万円以上であること、③学生でないこと、④特定適用事業所に使用されていること、という要件を満たせば、健康保険と厚生年金保険の被保険者になります。

 今年の10月から、④の特定適用事業所の企業規模要件が、使用される厚生年金保険の被保険者の総数が常時100人を超える企業から常時50人を超える企業に拡大されるため、厚生労働省によるQ&Aが公開されました。関係のある方は、下記をご確認ください。

◆問9 「被保険者の総数が常時50人を超える」とは、どのような状態を指すのか。どの時点で常時50人を超えると判断することになるのか。

(答)「被保険者の総数が常時50人を超える」とは、①法人事業所の場合は、同一の法人番号を有する全ての適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の総数が12か月のうち、6か月以上50人を超えることが見込まれる場合を指します。②個人事業所の場合は、適用事業所ごとに使用される厚生年金保険の被保険者の総数が12か月のうち、6か月以上50人を超えることが見込まれる場合を指します。

◆問10 特定適用事業所に該当した適用事業所は、どのような手続が必要になってくるか。

(答)特定適用事業所に該当した場合は、①法人事業所の場合は、同一の法人番号を有する全ての適用事業所を代表する本店又は主たる事業所から、事務センター等へ特定適用事業所該当届を届け出ることになります(健康保険組合が管掌する健康保険の特定適用事業所該当届については、健康保険組合へ届け出ることになります。)。②個人事業所の場合は、各適用事業所から、事務センター等へ特定適用事業所該当届を届け出ることになります(健康保険組合が管掌する健康保険の特定適用事業所該当届については、健康保険組合へ届け出ることになります。)。


【厚生労働省「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集(令和6年10月施行分))】https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T240124T0010.pdf


(3)3月の税務と労務の手続[提出先・納付先]


【11日】

○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行

○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

【16日】

○ 個人の青色申告承認申請書の提出<新規適用のもの>[税務署]

○ 個人の道府県民税および市町村民税の申告[市区町村]

○ 個人事業税の申告[税務署]○ 個人事業所税の申告[都・市]

○ 贈与税の申告期限<昨年度分>[税務署]

○ 所得税の確定申告期限[税務署]

○ 確定申告税額の延納の届出書の提出[税務署]

○ 財産債務調書、国外財産調書の提出

○ 総収入金額報告書の提出[税務署]

【4月1日】

○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

○ 健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]

○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

○ 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

○ 個人事業者の消費税の確定申告期限[税務署]



社会保険労務士 酌井敦史
酌井社会保険労務士事務所/合同会社メグリア代表
伊勢商工会議所にて企業の経営相談や労務管理に従事した後、2018年に社労士として独立開業。
得意分野である労働法務・給与計算業務を中心に、採用から退職までトータルに支援している。県外のお客様にはオンラインでの対応も精力的に行っており、地域No.1の人事労務の総合商社を目指す。

給与計算のアウトソーシング、人事労務でのお悩みなら、酌井社会保険労務士事務所にお任せください。
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