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高齢者は預金通帳を見せる? 介護保険の利用者負担見直しのゆくえ(2026/1/26)

こんにちは、酌井社労士事務所です。
今回は、介護保険の利用者負担見直しの動きについて、厚生労働省が示した案(利用者負担割合)を中心にご紹介します。

目次

(1)介護保険の利用者負担見直しの背景

介護保険制度の持続可能性を確保する観点から、利用者負担を増やす方向で見直しが検討されています。

ここでは、12月1日に厚生労働省が社会保障審議会の介護保険部会に示した見直し案のうち、利用者負担割合に関する内容を取り上げます。

(2)2割負担となる所得の判断基準(見直し案)

現在、介護保険の利用料は原則1割負担ですが、一定以上の所得がある場合は2割、現役並み所得の場合は3割負担となっています。

現行の目安(単身世帯):

  • 2割負担:年収280万円以上
  • 3割負担:年収340万円以上(現役並み所得)

厚生労働省は、2割負担の所得基準について、以下の4案を示しました(※括弧内は夫婦世帯の目安)。

  • 260万円(夫婦326万円)
  • 250万円(夫婦316万円)
  • 240万円(夫婦306万円)
  • 230万円(夫婦296万円)

(3)激変緩和措置(2案)

2割負担の対象者を広げるにあたり、厚生労働省は「激変緩和措置」として2案を示しました。

◆ 案1:当面の間、負担増の上限を月7,000円に

当面の間、負担増加の上限額を月7,000円とする案です。
最大の場合の月22,000円の負担増に比べ、約3分の1に抑える考え方です。

◆ 案2:預貯金等が一定額以下なら1割負担を継続

所得基準では2割負担となる人でも、預貯金・有価証券・投資信託などの金融資産が一定額以下であれば、 通帳などの資料を添付して自己申告することで、1割負担を続ける案です。

一定額として示された3案(※括弧内は夫婦世帯の目安):

  • 700万円(夫婦1,700万円)
  • 500万円(夫婦1,500万円)
  • 300万円(夫婦1,300万円)

なお、この預貯金要件は、介護施設の低所得者向け「補足給付」において、 すでに預貯金等を勘案して負担段階を設定していること等を踏まえ、自治体の事務負担にも配慮するとされています。

(4)今後の動向

「介護の社会化」の理念のもと2000年に始まった介護保険制度ですが、 持続可能性を高めるため、利用者と家族の負担を増やす方向で議論が進められています。

今後、所得基準や資産要件、激変緩和の具体的な設計がどうなるか、引き続き動向が注目されます。

【厚生労働省「第130回社会保障審議会介護保険部会の資料について/資料1」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66495.html


社会保険労務士 酌井敦史

酌井社会保険労務士事務所/合同会社メグリア 代表

伊勢商工会議所にて企業の経営相談や労務管理に従事した後、2018年に社労士として独立開業。

労働法務・給与計算を中心に、採用から退職までトータルに支援。
県外企業にはオンラインで柔軟に対応し、地域No.1の人事労務の総合商社を目指しています。

労務管理や各種手続きに関するご相談は、酌井社労士事務所にお任せください!

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