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令和8年度雇用関係助成金の主な見直しについて(2026/3/9)

雇用関係助成金は、年度ごとに制度内容や要件が見直されるため、申請可否の判断社内制度の整備に直結します。 令和8年度は、人手不足が続く状況を踏まえ、人材確保人材育成に関する見直しが予定されています。

本記事では、厚生労働省の資料から主な変更点をピックアップして、実務目線で分かりやすく整理します。 「自社が対象になりそうか」「どのタイミングで準備すべきか」など、気になる点があればお気軽にご相談ください。

目次

令和8年度雇用関係助成金の見直し概要

厚生労働省の雇用関係助成金は、毎年見直しが行われます。 令和8年度の雇用関係助成金においては、人手不足が続いていることを踏まえ、人材確保人材育成に関する見直しが予定されています。

助成金は「知っているかどうか」で取り組みのスピードが大きく変わります。 特に、高年齢者の活用や教育訓練の設計は、就業規則・雇用契約・賃金制度とセットで検討しておくと、後の手続がスムーズです。

65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)の見直し

事業主が段階的に高年齢者の雇用推進措置を講じた場合にも助成を受けられるよう、 1事業主当たり1回限りとしていた取扱いが廃止されます。 これにより、継続的な制度整備を進める事業者にとって、活用しやすくなる方向が示されています。

また支給額は、現行の10万円~160万円から15万円~240万円に変更されます。 さらに、継続雇用制度の導入については、希望者全員を対象とする措置を講じた場合に助成額を増額して支給されるとされています。

「他社による継続雇用制度」の取扱い

「他社による継続雇用制度」の導入については、定率の助成から定額の助成に変更され、 16万円~105万円が支給されるようになります。

他社での継続雇用を活用する場合は、制度設計だけでなく、対象者の範囲、本人同意の取り扱い、社内説明の方法なども重要です。 「制度は作ったが運用できない」を防ぐため、事前に運用ルールを固めておくことをおすすめします。

高年齢者無期雇用転換コースの見直し

対象となる高年齢の有期契約労働者について、期間の定めのない労働契約を締結する労働者へ転換した場合の支給額が見直されます。 これまで、有期契約労働者1人につき23万円(中小企業は30万円)だった支給額が、 1人につき30万円(中小企業は40万円)に変更されます。

無期転換は、助成金の観点だけでなく、雇用の安定処遇設計の見直しにもつながります。 仕事内容・賃金・評価制度をどのように整えるかによって、現場の納得感が変わるため、社内での合意形成も含めて準備しておくと安心です。

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の拡充

人材開発支援助成金の人材育成支援コースでは、45歳以上の労働者を対象とした訓練が、助成対象に追加されます。 人材不足の中で、経験者・ベテラン層のスキル更新を後押しする狙いが読み取れます。

対象となる訓練は、OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練です。 訓練修了後、訓練受講者の賃金が5%以上増額しているなどの要件を満たす場合に、所定額の支給が受けられます。

実務上の注意点

本助成金は、訓練の実施だけでなく、賃金増額などの要件確認がポイントになります。 訓練計画、出勤簿・賃金台帳、評価や昇給の根拠資料など、後から説明できる形で整えておくことが重要です。

また、OJTとOFF-JTの設計は、現場の業務負荷と教育効果のバランスが求められます。 「何を・誰に・どの順番で」身につけてもらうかを明確にしておくと、助成金対応だけでなく人材定着にもつながります。

参考資料とお問い合わせ

今回の内容は、厚生労働省が公表している資料(意見募集を含む)をもとに整理しています。 正式な要件や申請手続は、今後の確定内容や通達・要領等で調整される可能性があるため、最新情報の確認が欠かせません。

助成金は「対象かどうか」だけでなく、「いつ準備するか」で結果が変わります。 制度導入や社内規程の整備、教育訓練の設計など、早めに着手したいテーマがあればご相談ください。

【参考】雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案に対する御意見の募集について
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495250371&Mode=

酌井社会保険労務士事務所では、助成金の活用に向けた事前整理(対象要件の確認、社内制度の整備、運用設計)から、 申請に必要な書類の整え方まで、状況に合わせてサポートしています。お気軽にお問い合わせください。


社会保険労務士 酌井敦史

酌井社会保険労務士事務所/合同会社メグリア 代表

伊勢商工会議所にて企業の経営相談や労務管理に従事した後、2018年に社労士として独立開業。

労働法務・給与計算を中心に、採用から退職までトータルに支援。 県外企業にはオンラインで柔軟に対応し、地域No.1の人事労務の総合商社を目指しています。

労務管理や各種手続きに関するご相談は、酌井社労士事務所にお任せください!

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