傷病手当金はいくら?計算方法と支給期間(通算1年6か月)【2026年版】
2026/6/2
病気やケガで会社を休んだとき、健康保険から支給されるのが「傷病手当金」です。「いくらもらえる?」「いつからいつまで?」という疑問に、計算のしくみ・待期・通算1年6か月のルールを社労士がわかりやすくお答えします。
結論
(要点)
1日あたり=直近12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 ×(2/3)。おおむね給与の3分の2が目安。
連続3日休んだ後(待期)、4日目から支給。最長で支給開始から通算1年6か月。
対象は業務外の病気・ケガで働けず(労務不能)、給与が出ていないこと(出ていれば差額)。
加入12か月未満は特例計算(自分の平均額と全体平均額の低い方)。退職後も条件を満たせば継続受給できる。
業務外の病気やケガで働けず、給与がもらえないとき、健康保険(協会けんぽや健康保険組合)から生活を支えるために支給されるのが傷病手当金です。仕事中・通勤中のケガ(労災)とは別の制度である点がまず大切なポイントです。金額の決まり方から見ていきましょう。
1日あたりの金額は、次の式で計算します。
1日あたりの額 = 支給開始日以前の継続した12か月間の「標準報酬月額」の平均 ÷ 30 ×(2/3)
「標準報酬月額」は社会保険料の計算のもとになる金額のことで、おおまかには毎月の給与(月収)に近い額です。詳しくは 標準報酬月額とは をご覧ください。式のとおり、もらえるのはおおむね給与の3分の2が目安になります。
標準報酬月額の平均が30万円の場合……30万円 ÷ 30 = 1万円、その2/3で1日あたり約6,667円。
1か月(30日)まるごと休んだ場合……約6,667円 × 30日 = 約20万円が目安。
正確には、まず「平均額÷30」を10円単位で四捨五入してから3分の2を掛け、1円単位で四捨五入します。端数処理まで含めた正確な額は 傷病手当金 計算ツール で確認できます。
支給開始日までの健康保険の加入期間が12か月に満たない場合は、次のいずれか低い方を使って計算します。
加入期間中の各月の標準報酬月額の平均
その健康保険の全被保険者の平均的な標準報酬月額(協会けんぽは令和7年4月以降30万円※年度により改定)
入社してまだ日が浅い人ほど、この特例で頭打ちになることがあります。ツールは加入期間を入れると自動でこの特例を反映します。
傷病手当金には「待ち時間」と「上限期間」があります。
待期3日間……連続して3日間仕事を休んで初めて待期が完成し、4日目から支給対象になります(最初の3日間は支給されません)。この3日間は有給休暇・公休でもかまいませんが、連続していることが必要です。
通算1年6か月……支給を開始した日から通算して1年6か月が上限です。令和4年1月1日以降に支給が始まったものは「通算化」され、途中で出勤して支給が止まった期間はカウントから除いて、働けない日を通算1年6か月までもらえます(以前は出勤期間も含めて1年6か月でした)。
業務外の病気・ケガであること(仕事中・通勤中は労災の対象)。
療養のため働けない状態(労務不能)であること。
連続する3日間を含み4日以上仕事を休んでいること。
休んだ期間について給与の支払いがないこと(一部支給されている場合は、その差額が支給されます)。
一定の条件を満たせば、退職後も引き続き受給できます(資格喪失後の継続給付)。
退職日までに健康保険の加入期間が継続して1年以上あること。
退職時(資格喪失時)に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であること。
退職日の出勤に注意。退職日に出勤してしまうと「労務不能で休んでいる」とみなされず、継続給付を受けられない場合があります。退職前後の手続きは 退職手続きガイド もあわせてご確認ください。
標準報酬月額(または月収のめやす)・休んだ日数・加入期間を入れるだけで、1日あたりの額と受給見込みの合計を計算できる無料ツールを用意しています。社会保険料のしくみは社会保険料の計算方法もどうぞ。
1日あたりは「支給開始日以前の継続した12か月間の標準報酬月額の平均÷30×3分の2」で計算します。おおむね給与(月収)の3分の2が目安です。たとえば標準報酬月額の平均が30万円なら、1日あたり約6,667円です。
連続して3日休んだ後(待期)、4日目以降の働けなかった日に対して支給されます。支給期間は支給開始日から通算して1年6か月です。令和4年1月1日以降に支給が始まったものは通算化され、途中で出勤して止まった期間を除いて通算1年6か月までもらえます。
条件を満たせば退職後も継続受給できます。退職日までに健康保険の加入期間が継続して1年以上あり、退職時に傷病手当金を受けているか受けられる状態であることが必要です。退職日に出勤すると継続給付を受けられない場合があるため注意してください。
記事の監修者

酌井 敦史
しゃくい あつし
社会保険労務士/酌井社労士事務所 代表
全国社会保険労務士会連合会 登録番号 第23180049号
三重県社会保険労務士会 会員番号 第543号
1985年三重県伊勢市生まれ。2018年に社会保険労務士として開業。年間100社以上の労働相談に対応し、年間30件以上のセミナー講師を務める。給与計算・労働法務相談を中心に、三重県の中小企業を支援している。
本記事は2026年6月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別事案への適合性を保証するものではありません。標準報酬月額の特例額などは年度により改定されることがあります。最新の情報は協会けんぽ・ご加入の健康保険組合の案内をご確認ください。具体的なご相談はお問い合わせフォームへどうぞ。