外国人労働者の定着に使える助成金|人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)とは
2026/7/13
外国人を雇う会社が、就業環境を整えることで受け取れる「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」の中身を、経営者向けにわかりやすく整理します。
結論
(要点)
外国人が働きやすい環境を整える取り組みをすると、措置1つにつき20万円、上限80万円が受け取れる助成金です。
「雇用労務責任者の選任」と「就業規則などの多言語化」の2つが必須で、これに加えて相談体制の整備などから1つ以上を選んで実施します。
外国人労働者の離職率が15%以下であることなどの要件があります。まず計画を作って労働局の認定を受けてから、取り組みを実施する流れです。
外国人を雇ったものの、言葉の壁や制度の違いで「なかなか職場に定着してくれない」と悩む会社は少なくありません。国もこの課題に注目していて、外国人が働きやすい環境づくりを進める会社を、助成金で後押ししています。それが「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」です。何をすればいくら受け取れるのか、順番に見ていきます。
まず気になる金額から。この助成金は、後述する就業環境を整える措置を1つ導入するごとに20万円が支給されます。上限は80万円です。
「雇用保険の被保険者となる外国人」を雇っていることが前提になります。雇用保険とは、働く人が失業したときなどに備える公的な保険のことです。パートやアルバイトでも一定の条件を満たせば加入するため、正社員だけが対象というわけではありません。
受け取るには、決められた取り組み(措置)を実施します。「雇用労務責任者の選任」と「就業規則等の多言語化」の2つが必須で、これに選択メニューから1つ以上を加えます。多言語化とは、日本語だけでなく、外国人労働者が読める言語でも用意することです。
メニューの全体像は次のとおりです。
進め方には順番があります。3カ月以上1年以内の期間を定めて計画を作り、労働局へ提出します。その計画が認定を受けたあとに措置を実施し、支給申請を行う流れです。取り組みを先に始めてしまうと対象にならないため、計画の提出と認定が先だと覚えておいてください。
見落としやすいのが、金額や措置以外の要件です。外国人雇用状況届出を適正に届け出ていること、外国人労働者の離職率が15%以下であることなどが求められます。せっかく環境整備を進めても、離職率が15%を超えていると受け取れない点に注意が必要です。
なお厚生労働省のホームページでは、外国人の雇用管理・労務管理に使える各種資料や、モデル就業規則のやさしい日本語版などが公開されています。準備の参考になります。
▼参考
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)リーフレット(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/001682049.pdf
外国人労働者の人事・労務に関する支援ツール(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/tagengoyougosyu.html
就業環境を整える措置を1つ導入するごとに20万円で、上限は80万円です。雇用保険の被保険者となる外国人を雇っていることが前提になります。
対象は「雇用保険の被保険者となる外国人」です。雇用保険は一定の条件を満たせばパートやアルバイトでも加入するため、正社員に限られるわけではありません。ご自身のケースが対象になるかは、お問い合わせフォームからご相談ください。
いいえ。先に3カ月以上1年以内の計画を作って労働局へ提出し、認定を受けてから措置を実施する流れです。認定より前に始めてしまうと対象外になるため、順番にご注意ください。
記事の監修者

酌井 敦史
しゃくい あつし
社会保険労務士/酌井社労士事務所 代表
全国社会保険労務士会連合会 登録番号 第23180049号
三重県社会保険労務士会 会員番号 第543号
1985年三重県伊勢市生まれ。2018年に社会保険労務士として開業。年間100社以上の労働相談に対応し、年間30件以上のセミナー講師を務める。給与計算・労働法務相談を中心に、三重県の中小企業を支援している。
本記事は2026年7月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別の事案への適合性を保証するものではありません。法令・制度は改正されることがあります。具体的なご相談はお問い合わせフォームまでお気軽にご相談ください。