iDeCoが2026年から変わる|退職所得控除の10年ルール・加入年齢・掛金上限の3つのポイント
2026/7/27
老後資金づくりに使われるiDeCo(個人型確定拠出年金=自分で掛金を積み立てる私的年金)の主なルールが2026年に変わります。経営者と従業員の方に向けて、変更点を整理します。
結論
(要点)
退職金とiDeCoの一時金を続けて受け取るときの「5年ルール」が「10年ルール」になります(2026年1月1日施行)。受取りの間隔が短いと、税負担が増える場合があります。
iDeCoに加入できる年齢が「65歳未満」から「70歳未満」に広がります(2026年12月1日施行予定)。長く積み立てられるようになります。
掛金の上限(1か月に積み立てられる金額の上限)が引き上げられます(2026年12月1日施行予定)。
iDeCoは、自分で掛金を積み立てて老後に受け取る私的年金です。ルールの見直しが多い制度で、2026年にも大きな改正があります。施行の時期が「2026年1月」と「2026年12月」に分かれているのがポイントです。順番に見ていきます。
まず押さえたいのが、退職所得控除(退職金にかかる税金を軽くする仕組み)の受け取り方に関わる変更です。すでに2026年1月1日から施行されています。
iDeCoの給付金を一時金(まとめて一度に受け取る形)で受け取り、そのあとに会社の退職一時金を受け取る場合の話です。改正前は、先にiDeCoを受け取ってから5年以上あければ、掛金を積み立てた期間と勤続期間で重なる部分について、退職所得控除をそれぞれに使えました。
改正後は、この「5年」が「10年」になります。受取りの間隔を10年以上あけない限り、重なる期間の退職所得控除は1回しか使えないように調整されます。
なお、順番が逆のとき、つまり先に会社の退職一時金を受け取り、あとでiDeCoの一時金を受け取る場合は、退職所得控除を二重に使うには20年以上の間隔が必要です。退職金とiDeCoの両方を受け取る予定がある方は、受け取る順番と時期で税負担が変わる点に気をつけてください。
次は、加入できる年齢の拡大です。こちらは2026年12月1日からの施行予定です。
これまでiDeCoに加入できるのは、原則20歳以上65歳未満でした。改正後は、70歳になるまで掛金を積み立てられるようになります。働く期間が長くなっている今、積み立てを続けられる年数が増えるのは大きな変更です。
ただし注意点があります。iDeCoは公的年金(国が運営する年金)に上乗せする制度です。そのため、老齢基礎年金などの公的年金を受け取り始めると、iDeCoの掛金は積み立てられなくなります。
3つ目は、掛金の上限の引き上げです。これも2026年12月1日からの施行予定です。1か月あたりに積み立てられる金額の上限が、次のように変わります。
上限が上がると、より多くの金額を積み立てられるようになります。
従業員から掛金のことを聞かれる場面も増えそうです。会社に企業年金があるかどうかで上限が変わるので、自社の制度を確認しておくと説明しやすくなります。
▼参考
令和7年度税制改正の大綱(財務省)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/07taikou_01.htm
令和8年12月からiDeCoがパワーアップします!(厚生労働省)
2026年1月1日から施行されています。iDeCoの一時金を先に受け取り、そのあとに会社の退職一時金を受け取る場合、受取りの間隔を10年以上あけないと、重なる期間の退職所得控除は1回しか使えません(改正前は5年でした)。
どちらも2026年12月1日からの施行予定です。加入できる年齢が70歳未満まで広がり、掛金の上限も引き上げられます。「10年ルール」の1月施行とは時期が違うので、混同しないよう気をつけてください。
いいえ。老齢基礎年金などの公的年金を受け取り始めると、iDeCoの掛金は積み立てられなくなります。iDeCoは公的年金の上乗せという位置づけのためです。
記事の監修者

酌井 敦史
しゃくい あつし
社会保険労務士/酌井社労士事務所 代表
全国社会保険労務士会連合会 登録番号 第23180049号
三重県社会保険労務士会 会員番号 第543号
1985年三重県伊勢市生まれ。2018年に社会保険労務士として開業。年間100社以上の労働相談に対応し、年間30件以上のセミナー講師を務める。給与計算・労働法務相談を中心に、三重県の中小企業を支援している。
本記事は2026年7月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別の事案への適合性を保証するものではありません。法令・制度は改正されることがあります。具体的なご相談はお問い合わせフォームまでお気軽にご相談ください。