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インフルエンザが例年より早く流行入り|職場でできる対策と、休みやすい体制のつくり方

インフルエンザが例年より早く流行入り|職場でできる対策と、休みやすい体制のつくり方

2026年(令和8年)のインフルエンザは、統計が残る1999年以降で2番目に早く流行シーズンに入りました。

結論

(要点)

  • 厚生労働省は2026年(令和8年)8月28日、インフルエンザが流行シーズンに入ったと発表しました。感染症法が施行された1999年以降で2番目の早さです。

  • 会社ができる対策の柱は「手洗い」「せきエチケット」「換気」の3つ。厚生労働省が有効としている基本の対策です。

  • 高熱が「夏バテ」や「熱中症」と間違われ、気づかないまま感染を広げてしまう例が指摘されています。判断に迷う従業員には、医療機関へ電話で相談したうえで受診するよう声をかけてください。

「熱っぽいけど、たぶん夏バテだと思います」。この一言のまま出勤した従業員が、実はインフルエンザだった。今シーズンは、そういうことが起こりやすい状況にあります。厚生労働省は2026年(令和8年)8月28日、インフルエンザが流行シーズンに入ったと発表しました。例年より大幅に早い時期での流行入りです。医学的な判断は医療機関の仕事ですが、会社にもできることがあります。順に見ていきます。

8月末に流行入り、1999年以降で2番目の早さ

厚生労働省の発表によると、2026年(令和8年)8月17日から23日までの1週間で、定点医療機関からの感染報告数が1.11となりました。定点医療機関とは、国が指定して患者数を報告してもらう医療機関のことで、全国に約3,000カ所あります。この1週間の報告数は4,094人でした。

流行入りの目安は「1」です。これを超えたため、インフルエンザの流行シーズンに入ったと判断されました。感染症法が施行された1999年以降、この時期での流行シーズン入りは2番目の早さにあたります。

例年なら冬に向けて考えればよかった対策を、今シーズンは早い段階から動かす必要がある。そう受け止めておくのが現実的です。

会社ができる対策は「手洗い」「せきエチケット」「換気」

厚生労働省は、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症といった急性呼吸器感染症の予防に有効なものとして、「手洗い」「せきエチケット」「換気」の3つを挙げています。せきエチケットとは、せきやくしゃみが出るときにティッシュやひじの内側で口と鼻を覆う行動のこと。マスクの着用を含めた基本的な感染対策が呼びかけられています。

ただし、暑い時期は熱中症を防ぐことが優先されます。屋外でマスクの着用が必要ない場面では、外すことが推奨されています。従業員に一律で着用を求めるのではなく、場面によって使い分ける前提で伝えてください。

換気には、もう一つ注意点があります。閉め切った室内でエアコンを長時間稼働させると空気が乾燥し、ウイルスが活動しやすくなります。厚生労働省は、エアコンの使用中も熱中症対策を優先しつつ、室温が上がらないように工夫しながら換気することを推奨しています。24時間換気システムや換気扇といった機械による換気と、窓開けによる換気を組み合わせる形です。自社のオフィスや作業場で、実際に空気の入れ替えができているかを一度確認しておくとよいでしょう。

いちばんの落とし穴は「症状の見分けがつきにくい」こと

暑い時期の流行で厄介なのは、高熱などの症状が「夏バテ」や「熱中症」と似ている点です。本人がインフルエンザだと気づかないまま出勤し、職場で感染を広げてしまう。これが、暑い時期に流行が広がる原因の一つとして挙げられています。

ここで会社に求められるのは、症状を見分けることではありません。それは医療機関の役割です。会社ができるのは、本人が迷ったときに動きやすい状態をつくることです。

具体的には2つあります。1つは声かけです。発熱などの症状が出て判断に迷うときは、医療機関に電話で相談したうえで受診する。この流れをあらかじめ伝えておきます。厚生労働省も、これが重症化と周囲への感染拡大を防ぐことにつながるとしています。

もう1つが、休みやすい体制です。「1人休むと現場が回らない」状態のままでは、体調が悪くても出勤する人が出ます。誰が休んでも代われるように担当を組んでおく、当日の連絡ルールを決めておく。この2つを用意しておくだけでも違います。

体調不良の従業員に「休んでいい」と言えるかどうかは、制度より日ごろの空気で決まります。流行が本格化する前に、その空気をつくっておいてください。

よくある質問

・従業員全員にマスクの着用を義務づけるべきですか?

厚生労働省は、マスク着用を含む基本的な感染対策を呼びかけています。ただし暑い時期は熱中症の防止が優先で、屋外でマスクの着用が必要ない場面では外すことが推奨されています。一律の義務づけにするより、場面ごとの使い分けとして伝えるほうが実態に合います。

・エアコンを動かしていれば、換気はできていますか?

エアコンの稼働と換気は分けて考えてください。厚生労働省は、閉め切った室内でエアコンを長時間稼働させると空気が乾燥し、ウイルスが活動しやすくなると指摘しています。24時間換気システムや換気扇などの機械による換気と、窓開けによる換気を組み合わせることが推奨されています。

・熱中症なのかインフルエンザなのか分からないときは、どうすればよいですか?

自己判断で決めつけないことです。厚生労働省は、発熱などの症状が出て判断に迷うときは、医療機関に電話で相談のうえ受診することをすすめています。会社としては、この流れを従業員に伝えたうえで、受診のために職場を抜けられる状態にしておくのが現実的な対応になります。

記事の監修者

酌井 敦史

しゃくい あつし

社会保険労務士/酌井社労士事務所 代表

全国社会保険労務士会連合会 登録番号 第23180049号
三重県社会保険労務士会 会員番号 第543号

1985年三重県伊勢市生まれ。2018年に社会保険労務士として開業。年間100社以上の労働相談に対応し、年間30件以上のセミナー講師を務める。給与計算・労働法務相談を中心に、三重県の中小企業を支援している。

本記事は2026年10月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別の事案への適合性を保証するものではありません。法令・制度は改正されることがあります。具体的なご相談はお問い合わせフォームまでお気軽にご相談ください。