2027年4月から健康診断の項目が変わります|血清クレアチニン検査が追加、喀痰検査は廃止
2027年(令和9年)4月1日から、会社が実施する一般健康診断の検査項目が変わります。
結論
(要点)
2027年(令和9年)4月1日から、労働安全衛生法に基づく一般健康診断の項目が変わります。対象は雇入れ時・定期・特定業務従事者・海外派遣労働者の4つの健康診断です。
腎臓の働きを調べる血清クレアチニン検査が追加され、痰を調べる喀痰検査は廃止されます。
健康診断結果報告書や健康診断個人票の様式も変わります。健診機関への確認と、社内の案内・費用の見直しを早めに進めてください。
健康診断は毎年ほぼ同じ内容で回している。多くの会社がそうだと思います。その前提が2027年(令和9年)4月1日から変わります。労働安全衛生法に基づく一般健康診断の項目が改正され、追加される検査と、なくなる検査が出てくるためです。健診機関との契約内容や社内の案内にも手を入れる必要があります。何がどう変わるのかを、実務で必要になる順に見ていきます。
今回の改正で項目が変わるのは、労働安全衛生法に基づく一般健康診断です。具体的には次の4つが対象になります。
雇入れ時の健康診断
定期健康診断
特定業務従事者の健康診断
海外派遣労働者の健康診断
つまり、ほとんどの会社が毎年実施している定期健康診断と、人を採用したときの健康診断が両方とも含まれます。自社は関係ない、という会社はまずないと考えてください。
改正の背景にあるのは、職業生活の長期化や、女性特有の健康課題への対応の重要性が高まっていることです。厚生労働省の検討会が取りまとめた報告書を踏まえた内容になっています。
今回いちばん大きな変更は、血清クレアチニン検査が一般健康診断の項目に追加されることです。
血清クレアチニンとは、腎臓の働きを評価するための検査項目のこと。血液を調べて、腎機能が落ちていないかを見ます。これまで一般健康診断の項目ではありませんでしたが、2027年(令和9年)4月1日からは実施する項目に加わります。
ただし、全員が必ず受けなければならないわけではありません。医師が必要でないと認める場合には、厚生労働大臣が定める基準に基づいて省略することも可能とされています。省略できる場面があるという点は、健診機関と打ち合わせるときに押さえておくとよいでしょう。
一方で、なくなる項目もあります。喀痰検査です。
喀痰検査は、痰を採取して調べる検査で、これまで定期健康診断、特定業務従事者の健康診断、海外派遣労働者の健康診断で義務付けられていました。これが廃止されます。実施しなくてよくなる、ということです。
項目が1つ増えて1つ減るため、健診機関との契約内容や健診項目の設定はそのままにはできません。見直しが必要になります。
もう1つ、肝機能検査については酵素名が変わります。最新の国際勧告に示される名称に変更されるためです。検査そのものがなくなるわけではありませんが、健診結果の表記が変わる点は知っておいてください。
改正に伴い、健康診断結果報告書や健康診断個人票などの様式も変更されます。血清クレアチニン検査が記載対象に加わり、喀痰検査は削除されます。
そのうえで、会社側の準備は3つに整理できます。
1つ目は、健診機関への確認です。契約している健診機関に、改正後の項目でどう対応するのかを聞いておきます。2つ目は、社内の健診案内と費用の見直し。従業員に配る案内文に古い項目が残っていないか、費用がどう変わるかを確認します。3つ目が、健康診断の結果を管理しているシステムや様式への対応です。自社で管理表を作っている場合、項目の列を直す作業が発生します。
2027年(令和9年)4月1日からの実施です。年度が替わる直前に慌てないよう、健診機関への確認から先に着手しておくと進めやすくなります。
一般健康診断の項目には追加されます。ただし、医師が必要でないと認める場合には、厚生労働大臣が定める基準に基づいて省略することも可能とされています。運用の詳細は健診機関に確認してください。
2027年(令和9年)4月1日からです。定期健康診断、特定業務従事者の健康診断、海外派遣労働者の健康診断で義務付けられていた喀痰検査が廃止されます。健診機関との契約内容や健診項目の設定を、あわせて見直してください。
検査項目が入れ替わるため、金額が変わる可能性があります。費用は健診機関との契約内容によりますので、次年度の見積もりを早めに取って確認することをおすすめします。
記事の監修者

酌井 敦史
しゃくい あつし
社会保険労務士/酌井社労士事務所 代表
全国社会保険労務士会連合会 登録番号 第23180049号
三重県社会保険労務士会 会員番号 第543号
1985年三重県伊勢市生まれ。2018年に社会保険労務士として開業。年間100社以上の労働相談に対応し、年間30件以上のセミナー講師を務める。給与計算・労働法務相談を中心に、三重県の中小企業を支援している。
本記事は2026年10月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別の事案への適合性を保証するものではありません。法令・制度は改正されることがあります。具体的なご相談はお問い合わせフォームまでお気軽にご相談ください。