HOMEkeyboard_arrow_rightお役立ち情報keyboard_arrow_right法改正・最新情報
keyboard_arrow_right

「喫煙ルール」も会社の魅力になる|求人票だけでは伝わらない、自社の取り組み

「喫煙ルール」も会社の魅力になる|求人票だけでは伝わらない、自社の取り組み

ハローワークの求人票に書くのは法令上の受動喫煙対策だけ。自社独自の取り組みは、別に伝えないと求職者には届きません。

結論

(要点)

  • 2020年(令和2年)1月6日から、ハローワークの求人票には、就業場所における「受動喫煙防止」のための取り組みを明示することとされています。

  • ただし求人票に記載するのは、改正健康増進法に規定する施設の類型に応じた「屋内の受動喫煙対策」です。会社独自の取り組みはそこに載りません。

  • 人材の確保が難しくなるなか、自社の喫煙ルールを「求職者から気持ちよく働けそうだと思ってもらえるか」という視点で点検してみる価値があります。

求人を出しても応募が来ない。その理由を給与や休日だけで考えていると、見落とすものがあります。職場の喫煙ルールです。受動喫煙対策は法令で求められる対応ですが、話はそこで終わりません。求職者が「ここなら気持ちよく働けそうだ」と感じる材料にもなります。自社の取り組みが、応募を考えている人にきちんと届いているか。今回はその点検の話です。

全面施行から5年。対策が進んだ施設と、残っている施設

厚生労働省の「受動喫煙対策の見直しに関する『議論のとりまとめ』」によると、改正健康増進法の全面施行から5年が経過しました。

病院や学校など、受動喫煙を防ぐ必要性が特に高い施設は「第一種施設」と呼ばれます。こうした施設では、受動喫煙の機会がほとんどないことが確認されました。一方で、それ以外の施設では、受動喫煙の機会が一定程度残っているとされています。

多くの中小企業の職場は、この「それ以外の施設」にあたります。世の中全体では対策が進んだように見えても、職場ごとの差はまだ残っている。そういう状況だと受け止めておくのがよいでしょう。

求人票に載るのは「法令上の対応」だけ

職場の受動喫煙対策については、2020年(令和2年)1月6日から、ハローワークの求人票に就業場所における「受動喫煙防止」のための取り組みを明示することとされています。応募する前に、働く場所の環境が分かるようにするためです。

ここに見落としがあります。求人票に記載するのは、あくまで改正健康増進法に規定する施設の類型に応じた「屋内の受動喫煙対策」です。喫煙室を設けている、標識を掲示している、といった法令上求められる対応が中心になります。

会社が独自に工夫していることがあっても、その欄には載りません。結果として、求人票だけを見た求職者には、他社と同じように見えてしまいます。職場環境の魅力を伝えきれていない状態です。

自社の取り組みが求人票で伝わっていないと感じるなら、募集要項の自由記述欄や自社の採用ページなど、別の場所に書いておくとよいでしょう。書かれていないものは、伝わりません。

「健康経営」の視点を一つ足してみる

喫煙の話は、扱い方を間違えると社内の空気を悪くします。吸う人を責める形になれば、反発が生まれるだけで何も進みません。

そこで、視点を変えてみてください。経済産業省の「中小企業支援者向け健康経営の推進支援ハンドブック」には、禁煙に取り組んだことが社員のモチベーションアップや生産性の向上につながった事例が紹介されています。喫煙者を減らすこと自体が目的ではなく、働く環境をよくした結果として成果が出た、という並びです。

設備面の負担が気になる場合は、受動喫煙防止対策助成金があります。受動喫煙を防ぐための施設・設備の整備に対して助成が行われる仕組みで、喫煙室の設置などを検討しているなら使える可能性があります。

自社のルールを点検するときの物差しは、法令を満たしているかどうかだけではありません。「これを読んだ求職者は、気持ちよく働けそうだと思うだろうか」。この一つを加えるだけで、見直すポイントが変わってきます。

▼あわせて読みたい

ハローワーク求人で応募が来ないときは|求人票の見直しを社労士に相談するメリット

よくある質問

・求人票の受動喫煙対策の欄には、何を書けばよいですか?

改正健康増進法に規定する施設の類型に応じた「屋内の受動喫煙対策」を明示します。2020年(令和2年)1月6日から、ハローワークの求人票への明示が求められています。

・会社独自の喫煙ルールは、どこに書けばよいですか?

求人票の受動喫煙対策の欄には、法令上求められる屋内の対応が記載されます。独自の取り組みで職場環境の魅力を伝えたいなら、募集要項の自由記述欄や自社の採用ページなど、別の場所に記載することを検討してください。

・喫煙室の設置に使える助成はありますか?

受動喫煙防止対策助成金があります。受動喫煙を防ぐための施設・設備の整備に対して助成が行われるものです。自社が対象になるか、どこまで助成されるかは個別の確認が必要ですので、お問い合わせフォームからご相談ください。

記事の監修者

酌井 敦史

しゃくい あつし

社会保険労務士/酌井社労士事務所 代表

全国社会保険労務士会連合会 登録番号 第23180049号
三重県社会保険労務士会 会員番号 第543号

1985年三重県伊勢市生まれ。2018年に社会保険労務士として開業。年間100社以上の労働相談に対応し、年間30件以上のセミナー講師を務める。給与計算・労働法務相談を中心に、三重県の中小企業を支援している。

本記事は2026年10月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別の事案への適合性を保証するものではありません。法令・制度は改正されることがあります。具体的なご相談はお問い合わせフォームまでお気軽にご相談ください。