結論
(要点)
労働条件の書面明示義務は正社員と同じ(労働基準法第15条)。さらにパート・有期には4つの追加項目の明示が必要。
追加項目は昇給・賞与・退職手当の有無+相談窓口。怠ると1件につき10万円以下の過料。
パート・アルバイトにも日数に応じた年次有給休暇(比例付与)が発生する。
パートやアルバイトであっても、労働条件を書面で明示する義務は正社員とまったく同じです(労働基準法第15条)。「短時間だから」「学生だから」といって口約束で済ませると、シフト・時給・有給などの認識違いからトラブルになりがちです。さらにパート・アルバイトには、パートタイム・有期雇用労働法によって、正社員には求められない4つの追加項目の明示が義務づけられています。
通常の労働条件(賃金・労働時間・休日など)に加えて、次の4項目を文書で明示しなければなりません。これを怠ると、1件につき10万円以下の過料の対象になります。
昇給の有無
賞与(ボーナス)の有無
退職手当(退職金)の有無
相談窓口(雇用管理の改善等に関する事項の相談担当者)
「有無」を示せばよいので、支給しない場合は「昇給なし」「賞与なし」と書けば足ります。相談窓口は、担当者の氏名・役職や部署名(例:「店長 ○○」)を記載します。
シフト制の場合でも、始業・終業の時刻や、考えられる勤務時間帯・1週間の日数の目安などを、できるだけ具体的に示します。「シフトによる」とだけ書くのは避けましょう。
週の労働日数が少ないパート・アルバイトにも、日数に応じた年次有給休暇(比例付与)が発生します。「アルバイトに有休はない」というのは誤りです。
同じ仕事をしている正社員との間で、待遇に不合理な差を設けることは禁止されています(均衡・均等待遇)。手当や福利厚生の扱いに差をつける場合は、その理由を説明できるようにしておきます。
アルバイトを「3か月ごと更新」などの有期契約で雇う場合は、更新の有無・判断基準・更新上限の明示も必要です。通算5年を超えると無期転換の対象になる点もあわせて確認しましょう。詳しくは 有期契約と無期転換ルール をご覧ください。
当事務所の無料ツールには、短時間契約社員(パート)向けのひな形も用意しています。特定事項4つもあらかじめ項目に含まれているので、抜け漏れを防げます。入力した内容は外部に送信されず、お使いの端末内だけで処理されます。
パートタイム・有期雇用労働法により、昇給の有無・賞与の有無・退職手当の有無・相談窓口の4つの特定事項を、通常の労働条件に加えて文書で明示する必要があります。
特定事項4つの明示を怠ると、1件につき10万円以下の過料の対象になります。支給しない場合は「昇給なし」「賞与なし」と書けば足ります。
あります。週の労働日数が少ないパート・アルバイトにも、日数に応じた年次有給休暇(比例付与)が発生します。「アルバイトに有休はない」というのは誤りです。
記事の監修者

酌井 敦史
しゃくい あつし
社会保険労務士/酌井社労士事務所 代表
全国社会保険労務士会連合会 登録番号 第23180049号
三重県社会保険労務士会 会員番号 第543号
1985年三重県伊勢市生まれ。2018年に社会保険労務士として開業。年間100社以上の労働相談に対応し、年間30件以上のセミナー講師を務める。給与計算・労働法務相談を中心に、三重県の中小企業を支援している。
本記事は2026年6月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別の事案への適合性を保証するものではありません。法令は改正されることがあります。具体的なご対応は、お問い合わせフォームまでお気軽にご相談ください。