試用期間の定め方|長さ・本採用拒否・明示の注意点
2026/6/17
「合わなければ辞めてもらえる」と思われがちな試用期間。実は自由に解雇できるわけではありません。正しい定め方を解説します。
結論
(要点)
試用期間中でも労働契約は成立しており、「気に入らないから」と自由に辞めさせることはできない。
長さは法律上の定めはなく、実務では3か月〜6か月が一般的(1年など過度に長いと無効のおそれ)。
本採用拒否は法律上「解雇」として扱われ、客観的に合理的で社会通念上相当な理由が必要。
入社から14日を超えて働いた人の解雇には、原則30日前の予告または解雇予告手当が必要。
試用期間とは、採用した人が自社に適性があるかを見極めるための、入社後の一定のお試し期間のことです。多くの会社が3か月程度の試用期間を設けています。ただし、試用期間中であっても労働契約はすでに成立しており、「気に入らないから」と自由に辞めさせられるわけではない点に注意が必要です。
法律で長さが決まっているわけではありませんが、実務では3か月〜6か月が一般的です。適性を見るのに不相応に長い期間(1年など)は、労働者に不安定な地位を長く強いるものとして、無効と判断されるおそれがあります。延長する可能性がある場合は、あらかじめ「最長○か月まで延長することがある」と定めておきます。
試用期間中・期間満了時の本採用拒否は、法律上は「解雇」として扱われます。通常の解雇よりは広く認められる余地があるものの、客観的に合理的で、社会通念上相当と認められる理由が必要です。
経歴詐称が判明した
正当な理由のない遅刻・欠勤を繰り返す
指導しても改善が見られず、業務に必要な能力を欠く
「なんとなく合わない」「思っていた印象と違う」だけでは、本採用拒否は認められにくいです。指導や注意の記録を残しておくことが大切です。
試用期間中でも、入社から14日を超えて働いてもらった人を解雇する場合は、原則として30日前の予告または解雇予告手当が必要です。「試用期間中だから予告はいらない」と扱えるのは、入社から14日以内に限られます。
試用期間を設ける場合は、その有無・期間・本採用後との条件の違い(試用期間中の賃金が異なるなど)を、労働条件通知書に明記しておきます。記載があいまいだと、後の本採用拒否や条件変更でトラブルになりやすいためです。記載すべき事項の全体像は 労働条件通知書の書き方 をご覧ください。
当事務所の無料ツールでは、試用期間の欄を含む正社員・パートなどのひな形から、その場で作成・印刷できます。入力した内容は外部に送信されず、お使いの端末内だけで処理されます。
法律で長さは決まっていませんが、実務では3か月〜6か月が一般的です。1年など不相応に長い期間は、労働者に不安定な地位を長く強いるものとして無効と判断されるおそれがあります。
いいえ。試用期間中でも労働契約は成立しており、本採用拒否は法律上「解雇」として扱われます。通常の解雇より広く認められる余地はあるものの、客観的に合理的で社会通念上相当と認められる理由が必要です。
入社から14日を超えて働いた人を解雇する場合は、原則として30日前の予告または解雇予告手当が必要です。予告がいらないのは入社から14日以内に限られます。
記事の監修者

酌井 敦史
しゃくい あつし
社会保険労務士/酌井社労士事務所 代表
全国社会保険労務士会連合会 登録番号 第23180049号
三重県社会保険労務士会 会員番号 第543号
1985年三重県伊勢市生まれ。2018年に社会保険労務士として開業。年間100社以上の労働相談に対応し、年間30件以上のセミナー講師を務める。給与計算・労働法務相談を中心に、三重県の中小企業を支援している。
本記事は2026年6月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別の事案への適合性を保証するものではありません。法令は改正されることがあります。具体的なご対応は、お問い合わせフォームまでお気軽にご相談ください。