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変形労働時間制でも残業代は出る|割増賃金が発生するケース

変形労働時間制でも残業代は出る|割増賃金が発生するケース

「変形にすれば残業代不要」は誤解です。残業代が発生するしくみと、判定の3段階を整理します。

結論

(要点)

  • 変形労働時間制でも、あらかじめ定めた時間を超えて働かせれば残業代(割増賃金)が必要です。「変形なら残業代不要」は誤解です。

  • 残業は1日・1週・対象期間の3段階で所定を超えた分を判定します。あらかじめ8時間超・40時間超と決めた日・週はその時間が基準です。

  • 深夜(22〜5時)25%増、法定休日35%増は変形でも別途必要。単価は「月給÷月平均所定労働時間×割増率」で求めます。

「変形労働時間制にすれば残業代を払わなくてよい」——これは大きな誤解です。変形労働時間制でも、あらかじめ定めた時間を超えて働かせれば、割増賃金(残業代)が必要です。ここでは、残業代が発生するしくみと考え方を整理します。

残業代が発生する3つの段階

変形労働時間制では、次の順番で「所定を超えた時間」を判定します。

  • 1日単位:その日にあらかじめ定めた所定労働時間(8時間超で設定した日はその時間)を超えた分

  • 1週単位:その週の所定(40時間超で設定した週はその時間)を超えた分(1日でカウント済みを除く)

  • 対象期間単位:対象期間の法定総枠(週40時間×暦日数÷7)を超えた分(上記でカウント済みを除く)

ポイントは、あらかじめ「8時間超・40時間超」と決めていた日や週は、その決めた時間を基準にすることです。決めていない日に8時間を超えれば、その超過は残業になります。

よくある誤解

  • 「変形だから残業代はゼロ」→ 誤り。定めた時間を超えれば必要です。

  • 「忙しい日に勝手に延ばせる」→ カレンダーで事前に特定していない延長は残業扱い。

  • 「深夜・休日の割増は別」→ 深夜(22〜5時)25%増、法定休日35%増は変形でも別途必要です。

残業代の単価の出し方

1時間あたりの割増賃金は「月給 ÷ 月平均所定労働時間 × 割増率」で計算します。割増率の一覧や計算例は 残業代の計算方法 をご覧ください。

単価をすぐ計算する

当事務所の定額残業代 計算ツールでは、給与総額から基本部分の時給単価・残業の時間単価をすぐに確認できます。固定残業手当を設定している場合の内訳も表示します。

あわせて読みたい: 1年単位の変形労働時間制とは残業代の計算方法

よくある質問

・変形労働時間制にすれば残業代は払わなくてよいのですか?

いいえ、誤解です。変形労働時間制でも、あらかじめ定めた時間を超えて働かせれば割増賃金(残業代)が必要です。

・変形労働時間制での残業はどう判定しますか?

1日単位・1週単位・対象期間単位の3段階で、あらかじめ定めた所定を超えた時間を判定します。あらかじめ8時間超・40時間超と決めていた日や週は、その決めた時間を基準にします。

・深夜や休日の割増は変形労働時間制でも必要ですか?

必要です。深夜(22〜5時)は25%増、法定休日は35%増の割増が変形労働時間制でも別途必要です。

記事の監修者

酌井 敦史

しゃくい あつし

社会保険労務士/酌井社労士事務所 代表

全国社会保険労務士会連合会 登録番号 第23180049号
三重県社会保険労務士会 会員番号 第543号

1985年三重県伊勢市生まれ。2018年に社会保険労務士として開業。年間100社以上の労働相談に対応し、年間30件以上のセミナー講師を務める。給与計算・労働法務相談を中心に、三重県の中小企業を支援している。

本記事は2026年6月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別の事案への適合性を保証するものではありません。法令は改正されることがあります。具体的なご対応は、お問い合わせフォームまでお気軽にご相談ください。