結論
(要点)
1か月超1年以内の対象期間を平均して週40時間以内に定めれば、特定の日・週に8時間・40時間を超えても、ただちには時間外労働になりません。
主な上限は、3か月超なら年280日・1日10時間・1週52時間・連続労働日数は原則6日まで。あらかじめ労働日と労働時間を定めたカレンダーが必要です。
導入は労使協定→年間カレンダー作成→就業規則に定めて労基署へ届出の手順。あらかじめ定めた時間を超えた分には残業代が必要です。
季節や時期によって業務の繁閑がある会社では、1年単位の変形労働時間制を使うと、忙しい時期に長め・暇な時期に短めの労働時間を設定でき、全体として効率よく働いてもらえます。ここでは制度の基本と、導入の手順をやさしく整理します。
1か月を超え1年以内の期間(対象期間)を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間以内になるようにあらかじめ決めておけば、特定の日や週に8時間・40時間を超えて働かせても、ただちには時間外労働にならない仕組みです。繁忙期に厚く、閑散期に薄く労働日を配分できます。
対象期間を平均して週40時間以内
労働日数の限度:対象期間が3か月超なら1年あたり280日
1日の上限10時間・1週の上限52時間
連続労働日数は原則6日まで(特定期間は1週1休まで)
あらかじめ労働日と労働時間を定めたカレンダーが必要
これらの上限を満たしているかは、年間カレンダーを作って確認するのが確実です。当事務所の会社カレンダー作成ツールなら、要件を自動でチェックできます。
対象期間・起算日・対象労働者の範囲・労働日と労働時間(カレンダー)などを定め、過半数組合または過半数代表者と労使協定を締結します。
対象期間の労働日と各日の労働時間を、上限を超えないように決めます。
就業規則に制度を定め、労使協定とカレンダーを所轄の労働基準監督署へ届け出ます。
繁閑に合わせた人員配置ができ、無駄な残業を抑えられるのが利点です。一方で、あらかじめ定めた時間を超えた分には残業代が必要です。「変形にすれば残業代がいらない」わけではない点に注意しましょう(詳しくは 変形労働時間制の残業代)。
当事務所の無料ツールで、起算日と休日パターンを入れるだけで年間カレンダーを作成でき、280日・週52時間などの要件も自動チェックします。申請用の体裁でそのまま印刷できます。
あわせて読みたい: 1か月単位の変形労働時間制/変形労働時間制でも残業代は出る
対象期間を平均して週40時間以内とし、対象期間が3か月超なら労働日数は1年あたり280日まで、1日10時間・1週52時間が上限です。連続労働日数は原則6日までです。
まず対象期間や労働日・労働時間などを定めて労使協定を結び、年間カレンダーを作成し、就業規則に定めたうえで労使協定とカレンダーを所轄の労働基準監督署へ届け出ます。
いいえ。あらかじめ定めた時間を超えた分には残業代が必要です。変形にすれば残業代がいらないわけではありません。
記事の監修者

酌井 敦史
しゃくい あつし
社会保険労務士/酌井社労士事務所 代表
全国社会保険労務士会連合会 登録番号 第23180049号
三重県社会保険労務士会 会員番号 第543号
1985年三重県伊勢市生まれ。2018年に社会保険労務士として開業。年間100社以上の労働相談に対応し、年間30件以上のセミナー講師を務める。給与計算・労働法務相談を中心に、三重県の中小企業を支援している。
本記事は2026年6月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別の事案への適合性を保証するものではありません。法令は改正されることがあります。具体的なご対応は、お問い合わせフォームまでお気軽にご相談ください。